いつか、聴いた歌。いつか、胸ふるわせた歌。いまの僕へと、導いた歌。 ・・・そんなエピソードの数々


by logos7777
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純粋な桜

♪BGM≪『黄色いリボン』桜田淳子

そこに、桜が咲いていた。
瑞々しく、純粋で、あどけない桜だった。

まだ幼かった少年は、その美しさのなかに
自分の夢を描いた。

♪風になびく 黄色いリボン
 丘を駈ける 麦わら帽子
 きっとあなた 窓辺にもたれ
 こんな私 見ていてくれる・・・♪


春は、確実に、その掌の中に芽吹き、
その桜を、そして、その少年を、
光かがやく生命へと、はぐくんでいった。

まるで、天使のような黄色い蝶のように、
透き通るような羽を、はためかせながら。

♪このリボン 見えるでしょう
 ラブサインなの 待っててね・・・♪


桜は、あまりにも純粋に咲き誇っていた。
そして、その姿に魅せられていた少年も、
純粋さを理想とし続けて、成長していった。

♪このまま 行きたいの
 知らない島へ 流されたいのよ・・・♪


桜に、一匹の虫が近寄ってきた。
桜は、それこそが“天使の蝶”だと思って、
笑顔で迎え入れ、互いの心を結んだ。

少年は、しだいに視野を広げていき、
さまざまな花を知り、
それらの花に、心を楽しませるようになった。
その桜を忘れたわけではなかったが、
確実に、桜を、はるかに眺めるようになっていた。

その頃、少年が愛した桜が、
“天使の蝶”の姿に化けた大きなタランチュラに
唆されていたとは、知る由もなかった。
そう、本物の天使は、
あえて、少年の純粋さを護ろうとして、
桜の迷いを知らせずにいたのだった。

少年は大人になり、その事実を知った。
その頃、彼は、光り輝く世界を知り、
彼の魂は、そこにたどり着いていた。

♪このリボン 素敵でしょう
 ラブサインなの 感じてね・・・♪


桜の魂は、タランチュラに侵され、
深い洞窟に向けて、その足を進め続けている。
タランチュラの欲得に振り回されているとも気づかずに、
自分の心を、どんどん迷わせている。

迷い込んだままの桜を思うたび、
彼の目には、涙があふれ出す。
やがて、桜の愚かさに、苛立ちさえも感じ始めた。

♪このリボン 忘れないで
 ラブサインなの 信じてね♪


彼は、やがて、慈しむ心を覚えた。

  春が来て、花が咲き、
  春が過ぎ、花は散る。
  だけど、時は、めぐり巡る。

  大胆な季節に、心は、あるがままに躍り、
  枯葉を観て、その心を振り返り、
  沈黙の時を経て、また、希望を抱く。

  春はまた、やってくる。
  花はまた、咲き誇る。
  すべての生命に、慈悲が注ぐ。
  生命はまた、原点から始められる。

彼は今、ひたすらに、願っている。
「桜よ、また、純粋に咲き誇れ」
「桜よ、また、春を迎え入れよ」
「桜よ、また、春を生きよ」
「桜よ、光の世界を目指せ」
「桜よ、永遠の春を、生き続けよ」
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by logos7777 | 2005-04-14 23:29 | アイドル/タレント