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いつか、聴いた歌。いつか、胸ふるわせた歌。いまの僕へと、導いた歌。 ・・・そんなエピソードの数々


by logos7777
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自由な恋

♪BGM≪『April』稲垣潤一

春に手が届くか届かないという頃、
先輩たちは、キャンパスを去っていった。

♪April 窓からそっと見れば
 いつものような君が バスを待っている
 April まるで 近くのマーケット
 ニュースペイパー 買いに出かけるようさ・・・♪


兄貴のように、頼もしく思えた先輩。
友達のように、はしゃぎ合った先輩。
僕の周りには、そんな、ざっくばらんな雰囲気で
楽しい交流があった。

そして、この春から、
僕らが、幹部として、
サークルを運営していく立場にあった。

K先輩が好きだった稲垣潤一。
僕も、影響を受けていた。

四月になると、この曲を思い出す。
街が、水彩色を帯びてくる。
そのなかで、別れと出逢いを経験する。
この曲は、淡い色の春を演出している。

♪April 蒼い陽射しの中で
 素顔のままの君が バスを待っている
 April 古い小さなトランク
 僕のイニシャルの文字 抱えているよ・・・♪


今、あらためて、この曲を振り返ってみる。

♪2人が愛していたのは
 自由という 君と僕とのすき間だったね
 いつでも 少し引いている
 お互いの心のポーズが 素直じゃない・・・♪


「素直じゃない」けれど、
僕って、こんな気持ちがある。
自由というすき間を泳ぎながら、
好きな人を見つめていると、
「素直」なフレーズが浮かんでくる。
そして、詠(うた)いだす。

♪April 4月になって君も
 自由な恋以外に 何か見つけた
 April 4月になって僕も
 本当のこの気持ち わかりかけてた・・・♪


気がついたときには、失っていることが多かった。
多少の後悔をすることもあった。

だけど、自分の心の奥の奥を眺めてみれば、
そういう生き方の中で、
僕は、僕なりの人生芸術を描いてきたことを知る。

♪April 4月になると誰も
 旅立ちたくなるのさ 何か求めて♪


そんな自分を、ありのままに認めて、
そんな自分を、素直に許して、
いつか、
こんな自分も、永い「自由な恋」をする日を
迎えるのだろう。
いや、迎えられるように、
今よりも、僕の人生芸術を仕上げておこう。
# by logos7777 | 2005-04-21 00:14 | J-POP/ニューミュージック

ただ1度きりの呪文

♪BGM≪『恋の大予言』フィンガー5

歌謡曲という世界に興味を持つことによって、
僕は、成長というものをしてきたのかもしれない。

当時、中学生のアイドルが、次から次へと誕生し、
小学生だった僕は、
そこに、「お兄さん像」「お姉さん像」を見ながら、
自分の生き方というものを模索していたのだ。

そんな中で、小学生のアイドルも現われてきた。

仲のよかったK君と、“レコード店”に行ったり、
お互いの家を行き来しながら、一緒に聴いたりしていた。

♪パカラハカラペテンノフキヌケ
 アブドラパンチョのベソッカキ
 チララチララチンチラパパイヤ
 クラクラヌンチャクヒジデッポ
 ケセラケセラママコのガリベン
 ハレヒレメガネのブットバシ・・・♪


僕たちは、この“呪文”を覚えることによって、
優越感というものを体験していたのかもしれない。
日常にいながら、テレビに映る世界と一体となって、
歌い踊る“もうひとりの自分”を演じていたのかもしれない。

♪不思議な気持ちになってきた
 アナタがステキに見えてくる
 恋の呪文にかかったら
 すぐに天国さ Ah!Ah!♪・・・


僕たちは、さまざまなアイドルを見てきた。
時には、カッコいい“お兄さん”を通して、
大人に近づいていく道を思い浮かべた。
時には、カワイイ“お姉さん”を通して、
理想の恋人の姿を思い浮かべた。

好き嫌いは、もちろんある。
興味や関心の有無が、はっきり分かれるということを
体験することによって、
自分の未来を、選び取っていったのだろう。

♪これでもう幸せさ夢の気分
 何もかもバラ色に見えてくるよ
 奇跡なのさボクにとって ただ1度きり
 これで2度と使えないよ この1度きり・・・♪


テレビは、色々な“夢”を与えてくれた。
だけどそれは、あくまでも“幻”という名の夢だった。
僕たちは、“現実”という道を歩いてきた。
理想は、成長していく過程で、変転していった。

この歌を歌っていた彼らも、
やがて、変声期を経た。
そして、フィンガー5というグループも、変転した。

あのときの呪文を、何度、唱えてみたところで、
あのときの僕たちには、戻ることができない。

まさに、「ただ1度きり・・・」のくり返しだった。

P.S.この曲のタイトルは、『恋の大予言』である。
  だけど、この曲には、明確な“予言”が出てこない。
  (『恋の大呪文』の方が適切だったかも!?)
# by logos7777 | 2005-04-19 22:02 | アイドル/タレント

妹みたいに・・・

♪BGM≪『かわいいハートブレイカー』大江千里

大江千里を聞くようになったきっかけは
きわめて単純なことだった。

大学からの「合格通知」を手にした僕は、
その日から、大江千里の後輩となった。

西宮の高台にあったキャンパス。
周りから見れば、“お坊ちゃん学校”のイメージが強かった。
彼は、まさに、そのイメージを背負ったような雰囲気でデビューした。
そして、僕は、彼の姿に、4年間の夢を描いた。

そのときに手に入れたアルバム。
A面2曲目。

♪ポートランドだけは やめようと
 山手を ずっと 飛ばしてきたら
 やっぱり ここへ たどりついてしまう・・・♪


この曲の歌詞のような恋をしていたわけじゃない。
神戸、六甲、港、トラッド・・・
おしゃれな世界に魅力を感じた。
彼の曲には、その世界へといざなうものがこめられていた。。

だけど、実際のキャンパス・ライフは、
決して、このようなおしゃれなものではなかった。
僕は、僕なりの楽しみ方で4年間を過ごした。
彼のかもし出す世界は、しだいに幻想となった。

2回生の頃。
僕は、のりちゃんと出逢った。
のりちゃんは、この大学の生徒じゃなかったけれど、
大江千里のファンだということで気が合った。
彼女が作ってくれたカセット。
僕は、ふたたび、彼の曲を聴くようになった。

♪妹みたいに 君のことを
 ずっと 今まで 思ってきたはず
 まさか こんなに ドキドキするなんて・・・♪


のりちゃんにとって、
僕は、普通の“お兄さん”だったかもしれない。
だけど、僕は、
のりちゃんに、特別なものを感じていた。

♪ずっと このまま このまま
 君は おしゃれでいて・・・♪


のりちゃんと会わなくなったのは、
いつからだっただろうか?
出逢ったきっかけの場所では、
彼女の姿を確かめることができなくなった。

僕も、いつしか、その場所を離れた。

♪僕は もしかして
 わずかな 君の きっかけかも
 霧に消されて 消されて
 やがて 映画のように・・・♪


のりちゃんは今、
どうしているだろうか?
幸せにしているだろうか?

たぶん、
のんびりと、幸せを感じることもなく、
日常生活に、追われているかもしれない。
だけど、そんな日常が、
きっと、幸せな証拠だろう。

あの、ストレートで、長い髪。
僕の記憶の中では、
いつでも、大江千里の話題で盛り上がっている。
今も・・・
# by logos7777 | 2005-04-18 22:03 | J-POP/ニューミュージック

もう一度ときめく日

♪BGM≪『パステル・ラヴ』金井夕子

この曲を聴いた頃も、僕はまだ子供だったので、
歌詞の世界は、理解しきることができなかった。

♪さよなら 初恋の人 微笑んで言える
 少女時代に 別れを告げる・・・♪


清楚なイメージを漂わせながら、
メロウな歌声が、メロディーをより引き立たせていた。

♪二度と 心を ときめかせることも
 ないと思っていたのに
 愛しているの 愛しているの
 あなたのそばを離れない
 あなたの胸に そっとつぶやく
 パステル ラヴ アンド ブルー・・・♪


長い冬の、ふさぎこんだ心に、
最後の冷たい風が吹いた後、
一気に、あたたかさがやってくる。
悲しんだ分、落ち込んだ分、
春の到来は、きらめきの強さを感じさせてくれる。

今頃、彼女はどうしているだろうか?
どこかの街で、幸せに暮らしていることだろう。

僕は、この曲を、記憶の中から取り出してみた。
色々な恋をした。
色々な別れを経た。
だけど、すべては、今よりも拙かった日々の想い出。

そして、1秒後には、今よりも輝ける未来。

心のなかの蕾が、また少しほころんだ。
# by logos7777 | 2005-04-17 21:06 | アイドル/タレント
♪BGM≪『ホームにて』中島みゆき

なつかしい、友たちの表情を観て、
僕もまた、なつかしい、時のなかにいた。

♪ふるさとへ 向かう最終に
 乗れる人は 急ぎなさいと
 やさしい やさしい声の 駅長が
 街なかに叫ぶ・・・♪


この曲を、深く味わった頃。
学生の僕は、休暇を利用して、
日本各地に張りめぐらされている鉄路をたどっていた。
──未知なる世界をさがして。

その頃、僕にとって、この曲は、
夜行列車の車窓から見るノスタルジーを
美しく演出するためのBGMとしてのみ生きていた。

そして、社会に出て、
僕は、さらに深く、この曲を味わうこととなった。

それは、“恋”の色をしていた。

一度目の“恋”──。
僕は、一人の女性との生活をはじめた。
彼女は、積極的で、押しが強かった。
そんな彼女のなかに、僕は、未知なる世界を観た。
彼女は、僕を、愛してくれた。
僕は、彼女を、愛する努力をした。

だけど、その“恋”は、
なぜか、爽快感よりも、疲労感で僕を満たした。

たどってきた鉄路の、数キロ先に、
僕が慣れ親しんだ“ふところ”があった。
僕は、悲しみを携えて、鉄路を引き返した。

休息がほしかった。
そして、「一夜だけ」と、自分に約束をして、
その“ふところ”に包まれることにした。

♪走り出せば 間に合うだろう
 かざり荷物を ふり捨てて
 街に 街に挨拶を
 振り向けば ドアは閉まる・・・♪


黄昏のホームにて。
僕の心に、力が働きかけてきた。
「裏切ってはならない!」
引き返すことは、なんの実りをももたらさない。
一夜分の荷物を持って、僕は彼女の元に戻った。

その“恋”は、数年後に幕を下ろしたが、
あのときに踏みとどまったことは、
いくつかの実りをつけて、今へと導いた。

二度目の“恋”──。
すでに、生まれ故郷を離れ、
新しい世界に、僕は、この身を託していた。
未知なる世界が、現実へと変わり続けるなかで、
いまだ見えない現実に、心がふさぎがちだった。

♪振り向けば 空色の汽車は
 いま ドアが閉まりかけて
 灯りともる 窓の中では 帰りびとが笑う・・・♪


彼女は、僕の故郷の方から、
いつも笑顔を向け続けてくれた。
この目で、お互いを確かめることはなくても、
心と心は、しだいに近くに感じ始めていた。

僕は、彼女に会いにいくことにした。
それは、僕の、未知なる世界を、
決して、ふさぐことにはならないだろうと信じて。

♪ふるさとは 走り続けた ホームの果て
 叩き続けた 窓ガラスの果て
 そして 手のひらに残るのは 白い煙と乗車券・・・♪


僕を引き止める気配を感じた。
そう。
その時、僕はまだ、
未知なる世界に、何ひとつ、
実りをつけていなかったのだ。

故郷の方向に、目を向けてみた。
僕の鉄路は、ポイントが左に傾いていた。
そのままいくと、“敗北”という駅を目指していた。

写真でしか会ったことのない、美しい笑顔。
僕に差し伸べられた、ふたつの掌。
そのぬくもりには、ふれることはできなかった。

♪涙の数 ため息の数
 溜まってゆく 空色のキップ
 ネオンライトでは 燃やせない
 ふるさと行きの乗車券・・・♪


あれから、僕は、いくつかの“恋”を感じたが、
いまだ、“恋”は、かたちを得ていない。

♪たそがれには 彷徨う街に
 心は 今夜も ホームに たたずんでいる
 ネオンライトでは 燃やせない ふるさと行きの乗車券♪


なつかしい、友たちの表情を観て、
僕もまた、なつかしい、時のなかに、
一歩を踏み入れようとした。

だけど、そこに、
僕の居場所は、確保できないことに気づいた。

僕は、この街で、生きていく。
僕は、この街で、夢をかなえていく。
そして、僕は、
この街で、“恋”を実らせていく。
やがて、この街で、人生を閉じる。

今というホームにて。
心の各地に張りめぐらされている鉄路をたどってみた。
──未知なる世界をあおいで。

そして、もう戻らない日々を支えてくれた人たちに、
感謝の想いを乗せた列車を、発車させた。。
そして、これからの日々に浮かぶ人たちに、
僕を輝かせてみせるという誓いを、発車させた。

いつか、ポイントが切り替わり、
“勝利”をお土産に、訪れる日が来るように。
# by logos7777 | 2005-04-17 01:17 | 70~80年代フォーク